海外FXでは収納代行業者と呼ばれるものが存在します。
海外FXが契約して利用している入出金の代行業者であり、「国内銀行送金の受け皿」としてトレーダーと海外FX業者の間に入る存在です。
海外FX業者への国内銀行送金ができるのは収納代行業者のおかげですが、実は2026年6月からの資金決済法改正で収納代行業者が利用できなくなり、その結果国内銀行送金ができなくなるリスクがあるのではと指摘されています。

この記事では海外FX業者の収納代行業者をとりまく状況について詳しく解説します。正しい知識を得て、安心して海外FX業者を利用しましょう!
海外FXの収納代行業者は規制される?
収納代行は、事業者に代わって代金や証拠金を受け取り、事業者へ送金するサービスを指します。海外FXでは、トレーダーが日本の銀行口座に振り込むと、その口座の名義人(収納代行業者)が資金をまとめて海外ブローカーに送る構造になっています。
たぬき国内振込の裏側で国際送金を肩代わりしてくれる“お金の橋渡し役”ってイメージだっコ
振込先名義が海外FX業者の名義ではなく「よく知らない会社(合同会社など)」になってるのは、この収納代行業者の名義です。
2026年6月の資金決済法改正が施行される時期が近付いていることで、海外FXの収納代行業者がどうなるのかに注目が集まっています。
まずは、海外FXの収納代行業者がどのように扱われてきたか、今後はどうなるのかについて解説します。
- 資金移動業登録を持たないことが問題に
- 規制が徐々に厳しくなった
- 2026年6月以降は国内銀行送金不可のリスク
資金移動業登録を持たないことが問題に
収納代行業者には、ざっくり次のようなタイプがあります。
一つは、資金移動業登録などを持ち、EC決済なども手掛ける「表のビジネス」の業者です。もう一つは、資金移動業登録を持たず、実質的に海外FXやオンラインカジノ向けの送金代行をメインにしている「グレー寄り」の業者です。
小規模法人名義の口座を多数使い、銀行に対しては「EC決済」「代金回収」名目で口座開設しつつ、実際には海外FXやオンラインカジノ向けの送金に使われるケースです。
海外FXの収納代行業者の多くが資金移動業登録を持たないと指摘されていますので、不安に感じられる方もいるでしょう。
ただ、そもそも海外FX業者自体が日本居住者向けに営業するのは違法ですし、収納代行業者に関しても海外FXを使うのであれば許容するしかないポイントとなっていました。



あくまで「グレー」だったっコ
規制が徐々に厳しくなった
2024年以降、収納代行業者絡みのトラブルが顕著になりました。2024年5月頃からExnessなど複数の海外業者で「国内銀行出金ができない」との報告が相次ぎ、その原因として収納代行業者が利用していた法人口座の一斉凍結があるとされています。
結果として、銀行送金で入金したユーザーへの出金が止まり、SNS上で「出金拒否」と混同されるケースも目立ちましたが、カード・電子ウォレット・仮想通貨での入出金は通常通り動いていたようです。
海外FXは拠点が日本にないため取り締まりが難しく、放置されているのが現状です。しかし、収納代行業者はその性質上拠点は日本にあるため、取り締まりを受けやすくなっています。
2026年6月以降は国内銀行送金不可のリスク
2026年6月以降は、収納代行業者を通じた国内銀行送金がそもそも不可能になるのではとの見方も出ています。
背景には、日本の資金決済法改正と金融庁の「クロスボーダー収納代行」へのメスが大きく関係しています。従来、収納代行は「為替取引に当たらない」と解釈され、資金移動業登録が不要なケースが多かったものの、実態としては国際送金と同等の役割を果たすケースが増えたため、法のグレーゾーンを是正する流れがありました(金融庁:「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」 報告の概要)。
2025年6月の改正資金決済法では、海外オンラインカジノや無登録の海外FX業者向けのクロスボーダー収納代行について、原則として為替取引とみなし、資金移動業登録を義務付ける方向性が示されています(金融庁:コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方)。登録なしでこうした送金を行う業者は、無登録の資金移動業者として取り締まり対象となり、銀行による口座凍結や捜査の対象になりやすくなります。
資金決済法改正は2026年6月ごろまでに施行されるとされているため、今後はより対応が厳しくなることが予想されます。現在は収納代行業者側がどのように対応するか明確ではありませんが、日本市場から撤退し、国内銀行送金ができなくなるリスクがあります。
海外FXで収納代行業者を使うリスク
トレーダー目線では、海外FXで収納代行業者を経由して入金・出金をすることにどのようなリスクがあるのでしょうか?
ここからは、以下の3点のリスクについて解説します。
- 国内銀行送金ルートが突然止まるリスク
- 国内銀行口座が凍結・制限されるリスク
- 収納代行業者の倒産等に巻き込まれるリスク
国内銀行送金ルートが突然止まるリスク
収納代行業者は、オンラインカジノや詐欺スキームなどにも利用されてきたため、当局や銀行の監視が年々厳しくなっています。
その結果、収納代行業者の口座が突然凍結されることが増えています。それに伴って、海外FX側の「国内銀行送金」メニューがいきなり「メンテナンス中」「一時停止」に変わるケースが実際に起きています。さらに、2026年6月以降は改正資金決済法施行に合わせて、日本市場から撤退するリスクも考えられます。
トレーダー目線では、「日本円で入金したのに、日本円での出金ルートが一時的に消える」「別ルート(ウォレットや仮想通貨)に切り替えたため・出金までの時間が従来より大幅に長くなる」などといった不便さ・流動性リスクを負うことになります。



昨日まで普通に使えた入出金ボタンが、今日いきなり消えてるって状況は、収納代行モデルでは割と起こり得るっコ
国内銀行口座が凍結・制限されるリスク
収納代行業者は、国内の銀行口座を使って大量の入出金をまとめて処理するため、マネーロンダリングや詐欺関連口座のモニタリングで引っかかりやすい構造を持っています。
実際に、「海外FXへの銀行送金をきっかけに、自分の銀行口座が凍結・利用制限を受けた」「収納代行経由の入出金履歴が原因とみられる」といった報告がでており、「改正資金決済法以降、海外FX向け収納代行業者の口座は凍結されやすくなった」との指摘もあります。
収納代行業者の倒産等に巻き込まれるリスク
収納代行業者が倒産・業務停止したときに、自分のお金がそのブラックボックスの中に取り残されるリスクもあります。
トレーダーが国内銀行口座(収納代行業者名義)に振込んだお金は収納代行業者がまとめて海外FX業者の口座に送金する仕組みなので、収納代行業者が倒産・業務停止すると、海外FX業者も資金を受け取っていないために返金に応じられないということも考えられます。
このような形の収納代行業者のトラブルは何件か報告されていますが、虚偽である可能性が高いので、心配しすぎる必要はありません。
これから紹介する通り、「海外FXの収納代行業者が関わるトラブル」とされるものは、運営会社が収納代行業者のせいにしている疑いが持たれることが多いです。
海外FXの収納代行業者の出金トラブルとは?


ここからは、海外FXの収納代行業者が原因で出金できない事態におちいったと海外FX業者側が説明しているトラブルについて解説していきます。
全てのケースで、海外FX業者側が自分たちの資金繰りが悪化したために収納代行業者のせいにして出金を停止したとの疑いを持たれています。
HASTFOREXの出金トラブル


まずは2024年初頭に閉鎖されたHASTFOREXの事例を解説します。
HASTFOREXは2022年にオープンした海外fx業者ですが、運営を開始してしばらくした2023年8月ごろから出金拒否が目立つようになってきました。
出金対応ができない事例について、HASTFOREX側は収納代行業者が休みであることを原因として発表しています。
しかし、休みが過ぎた後も出金対応が行われなかったことから、HASTFOREX側で止めているのではないかという疑惑が生じ、対応に追われることとなりました。
HASTFOREXは次のような対応を取りました。
- 出金遅延に関して収納代行業者が原因であると発表
- 10月ごろから再び出金対応が遅くなったため新たな収納代行業者と契約
- 11月ごろから出金を再開すると発表
- なぜか書類の提出を追加で求める状況になった
新たな収納代行業者と契約して対応するとしたものの、結果的に出金により面倒な手続きが入ることになったため、利用する人は減っていきました。
最終的にHASTFOREXは危険なFX業者として知られるようになり、2024年に閉鎖されています。
HASTFOREXの運営は日本人が関与していた疑いがもたれており、日本人をターゲットとして最初からお金を巻き上げるためのサイトだった可能性もあります。
GEMFOREXの出金トラブル


次は、経営破綻したGEMFOREXの事例です。
2022年ごろから出金できない状況になっていましたが、GEMFOREX側は収納代行業者の問題であると説明していました。
GEMFOREXの主張では、「A社と契約したものの、収納代行業者が盗難の被害を受けて調査している」「その後B社と契約したものの、未払いの状態が起きている」とされていました。
しかし、実際には収納代行業者の問題ではなくGEMFOREX側で出金できないように調整していた可能性が高いとされています。
問題となった行為から1年後、GEMFOREXは結果的に閉鎖され、取引自体ができなくなりました。
FX Fairの出金トラブル


最後にFX Fairの事例です。
こちらも既に閉鎖されている海外fxであり、GEMFOREXと同じグループではないかと指摘されている海外fx業者です。
FX Fairは2023年8月にTwitter(X)で、収納代行業者の銀行口座が一時的に凍結されたと説明しています。


しかし、出金にかかる日数が25日まで増えるなど問題が拡大していき、結局FX Fairも閉鎖されました。
信頼できる海外FX業者を利用しよう
X(Twitter)などを見ていると、収納代行業者が関わる深刻なトラブルが多いような印象を受けますが、そんなことはありません。
収納代行業者が関わるトラブルは、「大手海外FX業者で収納代行業者の口座凍結により一時的に入金・出金できなくなるが、オンラインウォレットなどの他のルートでは問題なく入金・出金できる」というパターンと、「信頼性の低い新興海外FX業者で収納代行業者のトラブルがあったと公表された後そのまま倒産してしまう」パターンです。


後者の方は収納代行業者のトラブルではない可能性が高いので、大手海外FX業者を使っている方であれば、一時的に入金・出金できなくなるトラブルがほとんどです。
海外FXには怪しい業者と安心できる業者がありますので、危険な業者を利用しないというのが一番重要です。
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