ステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC株式会社の代表取締役社長を務める岡部典孝氏は、仮想通貨業界では以前から名前の知られた人物でした。
しかし最近では、サナエトークンの発行に関わる溝口勇児氏がX(Twitter)で岡部典孝氏を名指しで非難したことで、仮想通貨業界以外でも注目が集まっています。
この記事では、岡部典孝氏の経歴や溝口勇児氏とのトラブルについて詳しく解説します。
JPYC株式会社の岡部典孝代表取締役社長の経歴は?
まずはJPYC株式会社の岡部典孝代表取締役社長の経歴をまとめました。
- 一橋経済学部在学中に起業
- 技術派経営者として経験を積む
- JPYC株式会社の設立
岡部典孝の経歴については、2026年3月時点で著者が公式サイトやインタビュー記事等を確認して執筆しています。
今回の記事で参考にしたページ
一橋経済学部在学中に起業
JPYC岡部典孝氏は1978年に福岡県で生まれました。学問の道では、中高一貫の進学校である桐蔭学園中学校・高等学校を卒業後、一橋大学経済学部に進学しました。
特筆すべきは、大学在学中からすでにビジネスの世界に足を踏み入れていた点です。2001年、22歳のときに大学に籍を置きながら最初の会社を設立しており、この時期が彼のシリアルアントレプレナー(連続起業家)としての原点となっています。
技術派経営者として経験を積む
JPYC岡部典孝氏のキャリアは、一般的な「企業に就職してから修行期間を経て起業」という形ではなく、自ら立ち上げた事業の中で高度な専門性を磨いてきた点が特徴です。
2001年に岡部典孝氏が最初に創業した有限会社リアルアンリアルは、「ゲーム内通貨のサーバー間取引、いわば両替商のようなことをする会社」だったそうです。ここで代表取締役だけでなく、CTO(最高技術責任者)やCFO(最高財務責任者)を歴任し、技術と財務の両面から経営を支えるスタイルを確立しました。
2017年には、歩くことでトークンを稼ぐ「AR(拡張現実)×ブロックチェーン」の先駆けであるリアルワールドゲームス株式会社を共同創業。ここでも取締役CTO/CFOを経て、取締役ARUK(暗号資産)担当となりました。

「歩いて稼ぐ」系ブロックチェーンゲームとして話題になったSTEPNより先にリリースされていました。時代を先取りしていますね!
JPYC株式会社の設立
2019年、岡部典孝氏は現在のJPYC株式会社の前身となる日本暗号資産市場株式会社を創業しました。
その後2021年に日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」を発行。前払式支払手段という既存の法的枠組みを活用し、日本におけるステーブルコインのフロントランナーとしての地位を築きました。
岡部典孝氏は日本の法令をしっかりと守った形でステーブルコインを発行するため、当初は前払式支払手段としてステーブルコインを発行しました。一般的なステーブルコインは、「発行(法定通貨→ステーブルコイン)」「償還(ステーブルコイン→法定通貨)」ができますが、JPYCは前払式支払手段であったため償還ができませんでした。つまり、一度ステーブルコインにしてしまうと現金に戻すことはできず、物やサービスの購入などで消費するしかないという形でした。


前払式支払手段としてスタートしたJPYCでしたが、日本の法律改正が行われたことで2025年からは資金移動業者の資格で発行と償還の両方が可能になりました。
一般的なステーブルコインとしての機能が整い、JPYCの普及が加速しているようです。
2026年2月にJPYCが発表したプレスリリースによると、2025年10月の発行以来、発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」の累計発行額が10億円を突破し、口座開設数が13,000件に到達したを突破したということです。
また、岡部典孝氏は単なる一企業の経営にとどまらず、iU(情報経営イノベーション専門職大学)の超客員教授、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)の理事、ブロックチェーン推進協会(BCCC)の副代表理事を務めるなど、Web3業界全体の法整備や普及活動に尽力しています。
サナエトークンの溝口勇児氏とJPYCの岡部典孝氏のトラブルは?
ステーブルコインの分野で地道な活動を積み重ねてきたJPYC株式会社の岡部典孝氏ですが、2026年3月にはサナエトークンの溝口勇児氏とX(Twitter)非難し合うトラブルになっています。
このトラブルについて以下の流れを解説します。
- 岡部典孝氏がサナエトークンを批判
- 溝口勇児氏が岡部典孝氏を批判
- 岡部典孝氏が今後話題にしないことを宣言
- 双方最後の言及か?
岡部典孝氏がサナエトークンを批判
このトラブルでは、まずJPYCの岡部典孝氏が先にサナエトークンを批判しました。
基本的には、「自分が発行しているJPYCは信頼性の高いものなのでサナエトークンと一緒にするな」という内容の投稿が多いです。


しかし、一部の投稿では「チームのガバナンスの欠如」などの言葉でサナエトークンの運営サイドを直接批判しています。


また、サナエトークンを厳しく批判するほかのユーザーの投稿のリツイートもしています。
岡部典孝氏はツイ廃扱いをされることもあるくらい普段から投稿量が多いことも原因だと思われますが、自身の投稿やリツイートでサナエトークンの件に何度も触れているようです。


溝口勇児氏が岡部典孝氏を批判
JPYC岡部典孝氏が溝口勇児氏の投稿に「溝口さん、質問です」と書いてリツイートする形でサナエトークンを批判したのが3月5日です。溝口勇児氏は当初反応していなったようですが、3月10日かなり激しい反論を行いました。


おまえ、ずっと粘着してくるけど、さすがにしつこいぞ。しかも的外れなことばかり書いていて、おまえの界隈の人たちですら困惑してる事実にそろそろ気づけよ。
おまえから何度か来てたDMにおれが返事をしなかったことを根に持ってんの?自分の事業が一生鳴かず飛ばずの責任をおれたちに押し付けるなよ
まぁでもこれまでずっと日陰にいたのに、急にスポットライトを浴びて舞いあがっちゃってんだよな。今回が人生最後の日向だと思うからしっかり噛み締めておけよ
僕はサナエトークンには問題があったと考えているので、どちらかというと岡部典孝氏寄りの考え方です。しかし、溝口氏がイライラするのはよくわかります。岡部典孝氏がもともとツイ廃なのはわかりますが、サナエトークンの批判と「JPYCが一緒にされると困る!」というアピールが連日正直しつこすぎます。
1回1回の投稿を見ると岡部典孝氏の発言に正当性があると考える人も多いようですが、数日間のツイ廃投稿の流れを見ると少し印象が変わります。
溝口勇児氏が指摘する通り、JPYCは2021年の発行以降「鳴かず飛ばず」と言っても過言ではない状況でした。しかし、2025年10月に「償還(JPYC→日本円の交換)」が合法的に可能になったことで以前よりも注目が集まっていました。
岡部氏側からすれば「サナエトークンによって仮想通貨へのネガティブなイメージがついてしまうことで、長年待った飛躍のチャンスを邪魔された」という感覚があって批判がきつくなっているのかもしれません。しかし、あまりに頻繁な投稿や溝口勇児氏の投稿に直接絡んでいく姿勢を見ると、溝口勇児氏の指摘するように「自分たちの宣伝に使おうとしている」側面があるようにも感じられます。


岡部典孝氏が今後話題にしないことを宣言
JPYC岡部典孝氏はサナエトークンの溝口勇児氏の反撃を受けて、3月11日に「人格攻撃で反論されたのは非常によろしくないですね。本件についてはこれ以上触れません」と宣言しています。


溝口勇児氏もそもそも自身の行動に問題があったことは自覚しているようなので、この投稿を受けて、この件は一旦収束に向かうのではないかと思います。
この岡部典孝氏の対応については「ダサい」という旨の批判があり、100万件のインプレッションがありました。


岡部典孝氏は法律を守った上でステーブルコインプロジェクトを実現するために何年もかけて高いハードルをクリアしていったと思われ、溝口氏が軽率に仮想通貨プロジェクトを進めたのが許せなかったのかもしれません。
しかし、溝口勇児氏は比較的迅速に(3月5日)プロジェクト中止と謝罪を行い、補償(返金)の意向まで示しています。


そこから何日も経過しているにもかかわらず、自身の正当性を誇示してサナエトークンを批判するような投稿を連発するのは、しつこいと言われて反論されても仕方がないように思えます。



確かに正当性はあるけど、やり方がどうなの?って話っコ
双方最後の言及か?
JPYCの岡部典孝氏は、3月11日午後3時頃に「本件についてはこれ以上触れません」と宣言していましたが、午後5時半頃に「SNS上で溝口さんへの人格攻撃が多発している状況を憂いております。」と投稿しました。しかし、それ以降は宣言通り言及なしを貫いているようです。


それに対して、サナエトークンの溝口勇児氏も「岡部さん、いい人だなー」と引用リツイートしています。


一旦和解した形になってようですし、溝口勇児氏は週刊誌やメディアに対する怒りが強いようなので、岡部典孝氏とのバトルは一旦終了になると思われます。


まとめ
トラブルになってしまった岡部典孝氏と溝口勇児氏ですが、そもそも溝口勇児氏は自身の行動について謝罪していますし、岡部典孝氏の批判が正しいか正しくないかで言えばが正しいと思います。
溝口勇児氏は、サナエトークンの発行をめぐって日本の複数の法律に違反している可能性が指摘されていますが、岡部典孝氏は以前からガチガチに日本の法律を守っています。
僕がステーブルコインJPYCに関する記事を初めて書いたのは2022年のことですが、さまざまな法制度上の障害がありながらも合法的にステーブルコインを日本に導入しようと長年努力されている方という印象でした。
溝口勇児氏が言う通り、JPYCは「鳴かず飛ばず」感は確かにあったので、プロジェクトがとん挫してしまうのではないかと心配していたほどです。実際、当初JPYCと提携していた暗号資産ウォレット兼SNSアプリ「Links」は既にサービス終了しています。



JPYCはまだ使えるお店・サービスが少ないのがネックだポン
ただ、今回の騒動を見ると岡部典孝氏はもう少しスマートな、周囲から見て印象のよい対応をした方がよかったのではないかと思います。
溝口勇児氏と岡部典孝氏のバトルの経緯がよくわからなかった方の参考になれば幸いです。


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- JPYCの岡部典孝氏は、どんな経歴の人ですか?
JPYC株式会社の岡部典孝氏は一橋大学在学中の2001年に最初の会社を起業した連続起業家で、オンラインゲーム関連事業や「歩くと暗号資産がもらえる」リアルワールドゲームなど、複数のIT・ブロックチェーン事業を手がけてきた人物です。
- JPYCの岡部典孝氏とサナエトークンの溝口勇児氏の間でどんなトラブルが起きたのですか?
JPYCの岡部典孝氏は、サナエトークンの溝口勇児氏の投稿に引用リツイートをつける形でサナエトークンの運営方法を批判したり、「自分が発行しているJPYCは信頼性の高いものなのでサナエトークンと一緒にするな」という内容の投稿を繰り返したりしていました。
その結果、溝口勇児氏が岡部典孝氏を「さすがにしつこいぞ」「自分の事業が一生鳴かず飛ばずの責任をおれたちに押し付けるなよ」などと強い口調で批判してトラブルに発展しました。
現在は、溝口勇児氏の焦点も主に週刊誌やメディアへの批判に移り、対立は一旦落ち着いています。
- 岡部典孝氏はJPYC以外に、どんな団体や肩書を持っていますか?
ブロックチェーン推進協会(BCCC)副代表理事や、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)理事、情報経営イノベーション専門職大学の客員教授など、業界団体や教育機関でも役職を務めています。
- JPYCの岡部典孝氏の情報をフォローしたい場合、どこを見ればよいですか?
JPYCの公式サイトやXアカウント(@noritaka_okabe)をチェックすると、事業の最新動向や規制・技術に関するコメントを追うことができます。
岡部典孝氏のインタビュー記事や登壇情報などもXアカウントで告知されますが、岡部典孝氏は「ツイ廃」とも呼ばれるほど毎日大量の投稿や引用リツイートがあるため、情報を追うのは大変かもしれません。












